元前5世紀のギリシャでは、人間の健康は「血液」「粘液」「黄胆汁」「黒胆汁」の4種類の体液のバランスで決まると考えられていました。これを「四体液説」と言います。
このうち「黄胆汁」は、摂取しすぎると怒りっぽくなると考えられていました。また「黒胆汁」(メランコリア)は、憂鬱な気分をひきおこすとされて過剰になると精神に異常をきたすと考えられていました。このように、人間の気分の落ち込みへの研究は古代のギリシャでもされていたと考えられます。ちなみに、メランコリアはギリシャ語でメラン(黒い)とコレ(胆汁)が合わさった言葉で、几帳面な性格などを指すメランコリー気質の由来となっています。
時は流れて、19世紀になるとドイツの精神医学者クレペリンが、脳の機能変調が原因とさせる精神疾患を、早期痴呆(統合失調症)と躁うつに大分されました。クレペリンによると早期痴呆は進行性であるのに対して、躁うつは時が経つにつれ状態が安定してくる寛解を迎え、寛解後は機能障害が残らないとしていました。
このクレペリンが分類した躁うつは、気分が高まっている状態の「躁」と気分が落ち込んでいる「うつ」を一緒に扱っていた。これに対して、うつ症状のみの人とうつと躁を繰り返す人がいることに着目しレオンハルトが、うつ病は前者の単極性と後者の双極性に分かれるという考え方が主流となりました。そのため、1980年に発表されたアメリカ精神医学会の『精神疾患の診断・統計マニュアル第3版(DSM-3)』では、「気分障害」のカテゴリのもとに「うつ病性障害」と「双極性障害」に分類されました。
しかし研究が進むにつれ、双極性障害は抑うつ症状と比べて統合失調症に近いとさせたため、2013年に発表されたDSM-5では「気分障害」が無くなり、「抑うつ障害群」 と「双極性障害および関連障害群」に分類されるようになりました。


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